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2017-08

KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート vol.4 - 2012.11.13 Tue


     
2012  1113   TUES DAY
 
   小話  
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KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート    |||||
 
             vol.4 完結編              

いよいよ剣山-三嶺縦走レポートは、三嶺の高峰をめざす。

昨夜は、寒風吹きすさぶ満天の星空を見て寝入ったものだから
2日目の天候には何も不安を感じていなかった・・のだが、

まだ日の出前の薄暗い時刻に、
もそもそと起きだして 小屋の戸を開けてみたら、

  外は・・ あれ? 

    ・・・ どないなっとんねん?

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空は どんよりと曇っていて・・
風が強いものの昨夜より気温はかなり高かった(‥と言っても10℃以下 )。

小屋のある稜線から北方を望んでみても、
そこに どぉ〜んと見えるはずの三嶺ピークは雲の中まったく目視できない。

う〜〜ん、ここまできてねぇ〜、

 せっかくの三嶺ピークアタックが・・
 真っ白のガスの中になってしまったら・・ちょっと残念だ。
 撮影の絵的に言ってもなぁ〜。

 ・・と、ちょっと天を睨むわたしであったが、

 こういうときは、
 そんなことして 天の誰かのゴキゲンを損ねるよりかは、
 素直に、これまでの恵まれた山行に感謝するのが
 運を呼ぶ " 奥義 " なのである。

 あ、あ‥ありがとう。

 

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ただ‥空を流れる雲の足が速い。

よく見ていると、その流れる雲の高度は小屋のある稜線より
ほんの100mほど上空を流れているようで、ときおりに白いガスの
その向こうに青空が透けて見えていた。

太陽がのぼり‥気温が上がれば‥
この雲は‥もしかしたら 文字通り 霧散するかもしれんな。
    
 と、わずかな希望にすがりつつ、
  

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小屋の中では朝食の準備が進む。

 山小屋の朝一番の仕事は、お湯を沸かすことから始まる。


     20121107jyuso9664.jpg


標高1600m 静かに冷えきった小屋のなか、
ガスバーナーに点火して、そのゴォ〜〜という燃焼音とともに
沸騰してきたお湯の蒸気が もぉ〜もぉ〜と沸き立ってきて、
それにつれて室温も上がってくる。

 このときは、まるで小屋そのものが目覚めてくるようで
 ワタクシ的にはとても好きな 山の朝の時間 なのである。

 ひと昔前の朝の台所って‥こんな感じだったんだろうな。


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午前7時ごろ 白髪小屋を出発。
ここから標高差およそ250mの高みにあるの三嶺ピークをめざす。

ふたつ、みっつほどの小さなピークを越えて、
最後のファイナル・アプローチは、厳しい岩場の急登が待っている。

このときまだ、三嶺の勇姿は白い霧の向こうに隠れていた。


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  歩き始めて15分、昨夜を寝床を借りた白髪小屋を振り返る。

小屋を出てうしろを振り返ると‥
きのうの‥12時間ちかくを歩き通してきた山々の稜線が見通せた。

思えば遠くまで来たものだ。

 しかし KSBクルーの士気も高い。
 オギノワン氏も きのう同樣に呼吸系に不安は残すが
 症状が悪化するようでもなくちょっと安心した

 ‥のだが、


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このとき実は、KSB − GP 登山隊は、
もうひとつの、暗雲を呼びかねない " 問題 " を抱えていたのである。

それは‥きのうの長い山行の終盤にかかったころのこと、
我らを率いる登山隊 指揮官:オッカー司令官の身に起きた異変だった。

 指揮官が言うに  " 膝(ひざ)に違和感をおぼえる " ‥と。

これがプロ野球のピッチャーなら大事をとって交代を告げるところだが
言うまでもなく、ここ標高1600mに代わりのピッチャーはいない。

実際に、昨夜の時点で私はオッカー司令官から、
もしも状況が最悪の場合になったときのことを想定した第2次プランの
指示を承っている。

もし そうなった場合、
わたしの背負う責は、背中のザックよりも重いものを担うことになるが

やや緊張感が増すかたわら、
どこか胸の奥底では、静かに " 高揚感 " が満ち満ちてくる。

 ふふっ‥ オレの出番か!
 
 まかせとかんかい! ( ← 根拠のない自信である )。


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そんな状況下で迎えた朝、気合いを一発 胸にくれて起き上がり、
オッカー司令官に指示を問うに

 良くもならず 悪くもならずだが・・
 これなら 十分に 作戦行動は続行可能である!


との返答にホッとした半面、わたしの勇んだ気合いは空気が抜けてゆく。

 まぁ〜 今回は‥

   これくらいで勘弁してやろう(汗と涙)。


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いくつかの小さなピークを越えたところで、
とうとう三嶺にいたる山裾に至り、休憩をとって息を整える。

その眼前では、三嶺にかかっていた厚い雲が徐々に高度を上げて
稜線の曲線が少しづつあらわになってきた。


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あぁ〜 もう少しで頂上が見えるのに!

 撮影クルーはこの好機にピーク撮影チャンスを逃すまいと
 高射砲よろしく慌ただしく三脚を据えて TVカメラを向けるのだが,

 見えそうで見えない‥あきらめようとすると、また見えそう、
 そんな天の誰かの趣味なのか、きわどいチラリズムに翻弄されつつ

 ついに最後の岩場の急登にとりつくKSB - GP 登山隊クルー。

 呼吸器系に問題を抱えたオギノワン・ディレクターも、
 あいかわらず倒れても倒れても立ち上がってきているし‥

 オッカー司令官も痛めた脚をうまくなだめながら

 みな 確実に高度を稼いでゆく。



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これまでの長かった縦走路の‥最後の登攀、
いよいよ最終目的地である三嶺ピークまで、その標高差:約200m。

高度を上げるにつれ、

 あぁ〜 まわりを見渡せば‥ 眼下には、
 山々と谷が織りなす深遠なる景色が どんどんひろがってゆく。

 あぁ〜 右の谷の深い森には、
 たしか・・よく通った " さおりが原 " があるはず。

 撮影クルーも興奮気味にカメラを回している。


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しかし、いつも思うことだが、

カメラマン:モリタン氏も、音声のムラカミン氏も、
登山ザックの他に、よくぞあれだけの装備をもってこれるものだ。

しかも彼らは、

 その重いカメラや音声機器を " 手持ち " で行動している。



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そして、KSB取材クルーの指揮官ディレクター:オギノワン氏、

彼はいつも取材登山にあたり、かなり綿密にコースを調べたうえで
すでに " 絵と流れ " を描いているらしいうえに、
いつでもどこでも臨機応変に撮影を指揮している。

どんなに酸素欠乏に朦朧としていても、
カメラが回っている間、その目は状況をするどく見ていて、
その耳はミィーホ・レポーターの一言一句を聞き逃さない。


 ・・・・・・ *** ・・・・・・・


そんなKSB撮影クルーと同行した5回目の三嶺縦走。

彼らの仕事ぶりを見てきてますます感じるのは、
彼らのそれが、ただの取材にとどまらず、
クルー各自に、それぞれに " よりいいモノを " と目指す職人気質が
肌で感じられるほどなのだ。

だから、前にも書いたが‥
彼らのそれは、もはや単なる仕事を越えた " 生業( なりわい ) "  である
・・と言えるものなのである。

だから、一緒に仕事をしていて、

 とっても気持ちがよくて こちらも " 萌えて " くる。


 あっ、ながながと駄文を連ねている間に、
 いつのまにか、われわれは・・


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 とうとう GOAL である。

 みんな‥ よく がんばった。( ← あの‥岳の声で )



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   なんだか、その立ち姿が、
   ずいぶんと様になってきて、かなりカッコいいぞ、
   ミィーホ・レポーター!


そして‥ すっかり登頂記念行事となった、あの‥

 ミィーホ・レポーターによる 祝!登頂、歓喜の舞
の演舞披露である。


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大学時代に日本舞踊部に所属して磨いてきたその舞踊。

これまでの山行のON AIRでは、
視聴者の方々を、いろんな意味で唸らせてきた彼女の演舞である。

彼女は、そのときそのときの山行を、
ちゃんと舞踊に織り込んで構成しているのである。

しかも今回は‥
それまで、おもにディズニー系のキャラを装おったキャワイイ扇子を
使っていたのだが、今回の扇子は‥

 おぉ〜 なんだか ソレらしく 本物っぽいぞ!

 それ、どうした? ・・と聞けば、
 
 彼女が答えて曰く、

  えぇ‥これは‥ 実家から送ってきた荷のなかに
  入っていました( にっこり )。


 Uuu〜m、察するにお母さんのその心づかい、
 しかと心で受け止めて、しっかりと舞うんだぞ、ミィーホ。


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 では、いくか・・

   カメラ スタンバイ、・・・スタート!


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さて、その気になる彼女の舞いは、

 来たる12月1日 土曜日の
 最強ドリーム百貨店 ON AIR でどうぞ!

 さすが、キレのいい舞のなかに、
 彼女らしい  " 天然的構成? " が垣間見れて、必見です!


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それから、しばし‥三嶺のピークにて、

 つかの間の時間を はしゃいで過ごし、


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誰からともなく、とにかく跳んで喜んで、

 ならば 記念に全員で飛ぼう・・という時になって、
 いざ、3‥2‥1‥それっ!

  ・・とシャッターを切ると、

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それまで、不安を抱える脚をかばって、
おとなしくしていたはずの、オッカー司令官が‥

  あのねぇ〜 その気概は買うが、
  ここで無理してどうするのよ、あんたは!

・・というわけで、

   撮り直し・・? である。

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 最後に わたしも並んで 記念撮影。

 航海歴:2012年 11月07日 水曜日、11:32 am
 三嶺ピークを制す。
     

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気がつくと、いつのまにか雲が晴れていて、

 なんと青い空が全天にひろがり、遠くには‥
 今回の縦走の起点となった剣山から、歩いてきた稜線のすべてが
 すっきりと見渡せた。

 どうも・・この、
 天の誰かさんの粋な計らいに 心より感謝せり。

 ほんまにこのタイミングで晴れ渡るとは
 天上には、よほどセンスのいい構成作家がいるらしい。


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三嶺ピークをあとにして、

 直下にある三嶺避難着小屋に向かう。

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 そこには、
 こんな場所にあるはずのない水を湛えた " 池 " がある。

 なんという美しい山なのだろう、ここは。
 どこを見ても 目を奪われる光景が広がっている。
 

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 小屋のそばにひろがるクマ笹の原、

   お題は 「 大地と空と‥歩くミィーホ女史 」


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小屋前でザックを下ろし、昼の宴を囲む。

 あぁ〜 パンもコーヒーも、なにもかもがウマイ!
 
 あとはもう下るばかりの道に気分は軽い。
 その気持の傍ら、あぁ〜もっとここに居られたらなぁ〜と想いもあり
 山を下り始める時の心は、喜哀に揺れる。


 では みんな‥ 家に帰りましょう。


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 下山の道で見つけた あの " まゆみの樹 " の実。

 みなさんから寄せられた情報のおかげで、
 まゆみの樹に関する収録を 無事に成すことができました。


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下りの道、ちょっと不思議な迷い方をしたが、

 午後 5時30分過ぎ‥全員無事に名頃の駐車場に帰還せり。


     20121107jyuso0167.jpg

 まさしく

  Long and Winding Raod

 この歌は 迷い疲れて終点のない道なりを歌ったもので、それは
 どこか惜別を漂わせる歌詞なのだが‥

 もちろん我々は‥
 長く険しい道程を伴にして、いっそう友となり
 家に帰ってきたのである。

  この記録も Long  and Winding になってしまったが‥。

 みんな また会おう。


 ーー 剣山 - 三嶺 縦走 KSB - GP 取材登山記 ーー

          
 






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KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート vol.3 - 2012.11.09 Fri


     
2012  1111   SUN DAY
 
   小話  
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KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート    |||||
 
                 vol.3              

さて剣山-三嶺縦走レポートは、一日目の午後に入る。

次郎笈をあとにして、クマ笹のつづく稜線を歩き始めたとたん、
かなり冷たい北西の風が猛烈に吹いてきた。


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      えぇ〜! あんなところまで歩くのぉ〜!!


さっきまで次郎笈の急登で汗をかいたばかりだから、
脱いでいた上着を着ないと一気に体温が奪われてゆく。

 ここでちょっと、
 小さい声ながらつぶやきたいことがある!

こういうときにこそ、
価格は高いが高機能な山用のアンダーウェアーが威力を発揮する。
それは、みなさんの想像を越えて " 体感できる " ほどのものだ。

わたしが着ていたのはアークテリクスのフェイズシリーズ。
どんなに汗をかいても、いつのまにかフワッとサラサラな肌触り。

ユ◯クロの " ヒートなんたら " というモノも使ったことがあるが
ただ暖かかったらいいというもんじゃないということが分かり過ぎる。

 大量の汗の迅速なる吸収、発散と‥
 適度な保湿機能がキモなのである‥と思う。

ちなみに私はこのアンダーウェアーを、あまりに快適なものだから
日常的にいつも着ていて( 2着を着回している ) 、うちの家内からは
やや冷たい目で見られている。


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  驚くべき心肺機能で微笑み快走するヒロセクス女史


山に向かうにあたって価格が高いか安いか、または温かいか否か・・で
モノを選んではイケナイのだ。

 環境と行動に見合った機能でモノを選ぶのが道理である。
 
でなければ、それはときに
ツライだけでなく 生命に関わることでもあるから。

 
でもねぇ〜 ちょっと私的経験上では、
 カメラやクルマやパソコンなどの装備に比べたらねぇ〜
 山の道具って、かなりコスパな世界だと‥思う。

 ん? まぁ〜それを比べるのもおかしいか?
 わたしはカメラもウェアーもどっちも欲しいので比較にならないのだった。



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午後13時28分 丸石小屋に到着。
どうにか各ポイントを予定時限内でクリアしているペース。
ただ、それは‥

 " それ以上遅れることはままならぬぞ "

・・という到達リミット時限なので、昼食もすばやくすまして出発する。


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実は、今回の山行取材において
TVの ON AIR ではけっして表に出ない " ある問題 " が起きていた。

というのは、

 KSB ドリーム隊リーダーである、
 ディレクター:オギノワン氏の調子がいまひとつ‥
 いや、いまふたつ‥なのだった。

 いや、同氏の仕事ぶりがイマイチなのではなくて
 彼の体調そのものが思わしくなかったのだ。


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   立て、立つんだ‥オギノワン!

ちょっと急登がつづくと、息がすぐ乱れて呼吸限界に達するようで
ギブアップという言葉を知らないはずの彼が、今回は、ときおりに
手を上げた。

 これからの長く険しい山行‥
 彼は持つだろうか‥と、かなり心配になったが

 何度も何度も、座り込み‥倒れても‥
 オギノワン氏は そのたびに‥

 ゾンビのように立ちあ‥ いや、失礼!
 まるでターミネーターのように‥ ん? ‥これもちがうか?

 そうそう! 
 まるで不死鳥のごとくに立ち上がってきたのである。
 
 行動限界にあるオギノワン・ディレクター。
 そして 安全にクルーを白髪小屋まで送り届けるべく
 限界リミット時限を守りたいオッカー司令官。

 そんな やや緊張感をともなう山行の縦走路を
 取材クルーとミィーホ・レポーターは、けっこう楽しく
 着実に収録をこなしてゆく。


     20121106jyusoKSB9520.jpg


    
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紹介が遅れてしまったが、
上の写真の‥右に立つ若い男前が カメラマン見習い修行中の
セオー君である。

彼はドデカいザックに‥食料や、これまたデカくて重いTVカメラ用の
三脚などを背負ってのカメラマン助手‥兼 ポーター役を担っていた。

そのかなり重い荷に カラダはキツいはずなのだが、
このセオー君も いっさい愚痴や弱音を吐かない男である。


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豪腕ディレクター:オギノワン氏は、

 倒れていても 撮影の指示、指令はけっしておろそかにしない。


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朝に歩き始めて、

 その登行継続時間はや10時間を超えた。


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そして白髪小屋まで まだ一時間の行程を残すところで
とうとう太陽が地平線に近づいてきた。

オッカー司令官はこの時点で、クルー全員にヘンドランプ装着の指令を出す。
小屋に着くのが日暮れ後になることは避けられない。

明るいうちに小屋に着くのが縦走プランの鉄則だが、
この登山の目的である取材撮影任務とクルーの体調などを推し量って
日暮れ後の行動も予測配分していたオッカー司令官、

うむ、さすが・・である。


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  KSB 報道部所属:ミィーホ・アナウンサー。

    これまで5回の厳しさ増す山行をともにしてきて
    彼女の弱音、愚痴の類の言葉を一度も聞いたことがない。

    それは、どうやら‥
    仕事上で訓練されたものによるもの・・だけではなくて、

    彼女の‥まわりの皆への " 心づかい " からと察せられて、
    それゆえにこちらもとても心温かくなり気持ちがいい。

    そういうあたたかき御家族のなかで育まれたものなのだろう。

    ゆえに、ちょっと天然だけれど‥
    どこか " 品位がある明るさ " なのだな、君は。
    

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白髪小屋までまだ30分ほどの行程を残して、

  とうとう陽が 地平線に沈んだ。


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ヘッドランプで、30〜40m先までが照らされるのだが、
意外にも夜の登山道は歩きにくいものだった。

ちょっと草木や岩場で道が荒れると‥ルートは見えなくなる。
なるほど‥オッカー司令官が可能な限り時間を稼ぎたいと言っていた
その意味するところを知る。

小屋まで残り30分の暗闇の進軍は、
急速に気温が下がってくる中、その冷たい風が勢いを増してくるなか
オッカー司令官の的確な先導で迷うこともなく 無事に到着。


    20121106jyusoKSB9608.jpg


外気温はおそらく0℃近くまで下がっていただろう。
到着後 すぐさまあたたかい食事の準備にとりかかる。

私とヒロセクス、そしてセオー君の3人は
斜面を下ったところにある沢まで降りて水15リットルを確保。

このとき吹き荒れていた寒風は横殴りで、
私の鼻水が 真横にすっ飛ばされていたほどである。


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ここでもヒロセクス女史はそのチカラを発揮した。
北アルプスの山小屋で訓練されたであろうその身のこなしで
すばやく料理の下準備を段取りしてゆく。

 カッ‥ カッコいいぞ、ヒロセクス!

この夜の献立は、チゲ鍋である。
そのために デカい鍋もザックに入れてもってきた。

ちなみに、この鍋を担いできた私は、
みなからたいへん感謝されたのだが、実はこの鍋はアルミ製でですねぇ
とっても軽いのだということは、敢えて言わなかった私であった。


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火を使っていることもあって、小屋の室温は13℃ほどあった。

 チゲ鍋もおかわりを重ねて身も心もあたたまり、
 明日のために寝床に入る。


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はや何人かは寝息をたてはじめたころ、
その小屋の屋根の上は‥

  満天の星空が 冷たくキラキラと輝いていた。


      20121106jyusoKSB9635_2.jpg

凍える寒風のなかで、
三脚を立てて星空撮影に挑んでいると‥

小屋から2つのヘッドランプの灯りが近づいてきて、
顔を照らすと、彼らは‥

  カメラマンのモリタン氏と音声のムラカミン氏であった。


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3人で、キラキラと結晶のように輝く夜空を見上げ、
ときおりに流れる流れ星に小さく歓声をあげながら、カメラのことや
これまでの山行のことに話がおよんで‥半時間。

まだまだ星の撮影に挑みたいところ、
カラダが冷えきるまえに小屋の中へ帰ってシュラフに潜り込む。

外では風の音が ごぉ〜ごぉ〜と鳴っているのを最後の記憶に
眠りに落ちたよう。

 第三部 完結編へ つづく。






KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート vol.2 - 2012.11.09 Fri


     
2012  1109   FRI DAY
 
   小話  
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KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート    |||||
 
                 vol.2              


 では‥いざ、
 これから48時間にわたる剣山ー三嶺:縦走登山の
 Long and Winding Road の記録映像をお届けしましょう。

20121106jyusoKSB9182_20121109174308.jpg


剣山リフト乗り場に近い登山口からまだ暗い山間を歩き始めて、
高度を上げるにつれ霧が晴れてゆく。

 ほんまならリフトを使ってものの5分で上に行きたいの‥だが、
 そこは我らは、曲がりなりにもグランパースの精鋭部隊?だから
 当然自分の脚で登るのが掟なのである。

  真相は、
  リフトは朝9時からの営業ということ‥なだけかも?


20121106jyusoKSB9194.jpg    
   
   

この朝一番の登山道、オッカー司令官はペースを上げた。

だから、登り始めて30分ほどで汗が吹き出し、
冬の装備で固めたクルーは体温が急上昇、炉心溶融の危険があったため
休憩時、みな服を1枚剥いで薄くする。

実はこの早々のペースアップには、

  オッカー司令官の隠された思惑があった。

それえは、縦走1日目の目的地であり宿泊地でもある白髪小屋まで、
通常のコースタイムでは午後1〜2時までに着くくらいのタイムだが

われわれ KSB - GPチーム は,
TV取材撮影が目的だから、当然、余計に時間がかかる。

オッカー司令官は今回の縦走プランを立てるにあたり
これまでの4回の取材経験で、およその撮影登行ペースを予測して
スペシャル・タイムテーブルを練り上げたのだが、

それでも、白髪小屋到着が日没後になる可能性があったために
朝一番の、以前‥企画第2弾での剣山登山で登ったこのルートで

 時間を稼げるときに稼いでおきたい。

 ‥という狙いがあったのだ(‥と思う)


20121106jyusoKSB9216.jpg


・・にしても、このミィーホ・レポーターは、

その小柄なカラダのどこにそんなエネルギー源を隠しているのか、
遅れることなく、笑顔で着実に高度を稼いでゆく。

今回の彼女の背の荷も、けっして軽くはないはずなのだが‥?
同行する身とすれば、彼女のその笑顔をもって身も心も軽くしてくれる、
・・というものだ。

それは、ほかでは得難い、良き‥彼女らしさ、と言えよう。


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リフト乗り場駅に到着。
ここではじめて背のザックを下ろしての休息タイムをとった。

その、アァ・・、フゥ〜っ‥と、背伸びをするクルーの、その背後で、

 夜が明けたばかりの深い山間の谷では、
 真っ白な雲の海が 躍動して 波打っていた。


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ほんとうに荒れた海のように、
白い雲がうねるように波打っていて、それが遠い景色にもかかわらず
白い雲の波が生きているように動いている。


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そして、なんということか、

その光景を黙して眺めているその暗い谷間の雲の海に、朝の日の光が
音もなく降りたったとき‥

うむっ‥、こ、これは‥と、さらに唸っていると、

今度は、太陽に照らされた北の峰の山斜面を、

  谷間の雲が・・凄い勢いで‥

     あぁ〜 雲が 駆け上がってゆく‥ではないか!

おそらくは太陽に暖められた南斜面の大気が上昇気流を生んだのだろう。
その様は、朝日の光に目覚めた大きな生物のような有り様だった。


20121106jyusoKSB9286.jpg

いつものメンバー:KSB ドリーム百貨店クルーの精鋭部隊である。

 右手前から、

   ◎ ホーク・アイ カメラマン モリタン氏
   ◎ サウンド・スナイパー   ムラカミン氏
   ◎ 豪腕ディレクター     オギノワン氏

いずれ後に書くが、
彼らのそのプロ意識に徹した行動力と飽くなき探求心には毎回驚かされる。

彼らの仕事ブリは、もはや単なる仕事ではない。
それは、彼らの " 生業 ( なりわい ) " と言えるものである。


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今回は時間的にキツい行程を考慮して、
我々はやむなく( 実はホッとして )剣山山頂はパスしてトラバース。

その眼前に、どぉ〜んと座するは " 次郎笈 ( じろうぎゅう )  " 。

 まぁ〜この山は、

    見るからに " 山です!" という山容を誇る。


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剣山トラバース道と稜線のなだらかな道で息を整えて、
次郎笈の山頂に至る急登にとりつく。

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そして、今回の長い山行での、最初のピーク制覇であった。

 あれだけ雲が多かった空が‥
 いつのまにか すっきりと晴れ渡っていて‥


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 この上の写真の、ほら‥中央やや右奥に、
 遠く尖ったピークが見えるのが、最終目的地の " 三嶺 " である。

 手前の稜線を、これから、ずぅ〜っと、延々と歩いてゆく。


20121106jyusoKSB9420.jpg

 次郎笈をあとにして、

 急に吹き荒れ始めた寒風のなか、一日目の終着点:白髪小屋へ‥。

 つづく。

   この調子だと、たぶん‥三部構成になりそう。
   お付き合いのほど、およろしく。







KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート vol.1 - 2012.11.08 Thu


     
2012  1108   THURS DAY
 
   小話  
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KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート    |||||
 
                 vol.1              

 20121106jyusoKSB9152.jpg   
   
   
航海歴 2012 11 07 ウタヅーン現地時間 21:30 ごろ

われわれ KSB ドリームクルーとグランパース登山隊は、すべての
作戦目的を完遂して 無事に前線基地へ帰還せり。

11月6日〜7日の2日間、まるまる48時間をフルに行動した。
この剣山→三嶺 一泊二日の縦走遠征は、これまでの登山遠征とはちがって
その長い行動距離・行動時間により独自のセンスが要求されるものだった。

まさしくそれは

   Long and Winding Road  ( ← ビートルズのあの名曲ね! )


   20121106jyusoKSB9160.jpg

   ↑‥今回ではや5回目の登山となり、
    かなり " それらしく " なってきたぞ、北村アナ!

この2日間の遠征を追った記録は1000カットをわずかに越えた。

ただいまその膨大な写真記録を解析中につき、
今日はそのオープニングに留まれり。

20121106jyusoKSB9174.jpg


月曜の夜、前夜入りした三嶺の登山口Pに着いた時には、
雷鳴がとどろく荒れ模様で ??? と、暗い空を仰いだが‥

翌朝、雨も上がってはいたものの山間は濃い霧で真っ白な世界。
しかし事前に把握していたこの2日の気圧配置傾向では低気圧が東へ
抜けることが分かっていたので、

早朝6時、剣山登山口である見ノ越 P において
遠征隊を前にしてオッカー司令官は " GO! " の指令を発動。

こうして霧に煙る登山道へ、
これからの長い長い道のりへのその一歩を踏み出したのである。

     20121106jyusoKSB9179.jpg


上の写真のオッカー司令と歩く女性は、
今回の遠征に オッカー司令官よりスクランブル要請を受けて
急きょ参戦することになった‥あのヒロセクス女史である。

彼女は5月から10月までの半年間を、
富山県の北アルプスの、標高2700m付近に立つ山小屋でお仕事を
してきて先週のこと、小屋の冬季閉鎖をうけて帰ってきたばかり。

今回の遠征を終えて、
このヒロセクス女史の、その‥高地の限界世界で鍛えられた実力を
目の当たりにすることになった。

それは高地で鍛えられた体力もさることながら、
限界世界で共にしてきたであろう様々なる人々との交友の中で
育まれてきたであろう、気持ちのいい・・
そんな 彼女が発散する " 空気 " が感じられて‥
それこそは、私にとってとてもウレしいことだった。


しかし、ほんとうに‥
ヒロセクス女史の高地で鍛えらた体力、精神力には心より脱帽!

今回の厳しい遠征においては、
オッカー司令官をして  " ヒロセクス女史が居てこその・・ " と
語らせたほどである。

では 長く厳しくも‥
ゆえに素晴らしき登山遠征となった 剣山-三嶺縦走絵巻は追って‥

 つづく。



剣山-三嶺 縦走 一話 - 2012.11.01 Thu


     
2012  1101  THURS DAY
 
       小話  
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剣山-三嶺 試登編    |||||
 
              Long and winding Road

     20121030turugijyuso8566.jpg
   
   
    
今日は遺跡発掘調査へスクランブル要請あり、
時間的に 写真をアップするのがなんとかな状況下‥
お許し下さい。


20121030turugijyuso8602.jpg






20121030turugijyuso8654.jpg



20121030turugijyuso8693.jpg


でも、ココだけはちょっと書いとかないと。

 下の写真は‥丸石小屋。
 人のうわさに、何かが出ると言われている小屋。 

 やや緊張しつつ、その丸石小屋を視認して接近すると
 おや? 先行していたはずのオッカー司令官の姿が見えない。

20121030turugijyuso8710.jpg

 ははぁ〜 彼のことだから‥
 きっとどこかに隠れているにちがいない‥と思い、

 ゆっくりと近づきながら、
 小屋の裏にも回ってみたが、どこにもいない?

 ん? ・・となると、小屋の中か?

   ・・と、ちょっとドキドキしつつ引き戸を開けていくと。


     20121030turugijyuso8712.jpg

ドアの真横、私の覗きこんだ顔の20センチほど横から
オッカー司令官が、ふわぁ〜と出てきて‥

 わたくし、恥ずかしながら、
 目測 2メートルばかりも後ろへ吹っ飛びました。


        20121030turugijyuso8714.jpg

         ↑‥大喜びのオッカー司令官

小屋の中にいるだろうとは思っていたが、
まさか渡しの顔のすぐ横に、音もなく ぬぅ〜っと現れるとは。

・・にしても、
あんなにタマゲタのはここ十数年来なかったな、くそっ!

 い、いまに見ておれ〜〜(怒)。




20121030turugijyuso8724.jpg

 これからのルートを探る。

  ここで小さな悪魔くんが、オッカー司令に囁いた。

20121030turugijyuso8725_20121101113918.jpg


ここでオッカー司令官は、地図上のひとつのルートに魅惑された。
それは白髪小屋から北の谷へ降りるコースなのだが、

 その地図には「 熟練者コース 」とある。

 うむ、予定の白髪→三嶺コースは勝手知ったるコース。

 ならば‥せっかくだから、

 この白髪から北へ降りるコースを、
 来たるKSB登山に備えての
 エスケープ・ルート ( 緊急時 脱出ルート ) として下調べしようではないか。


20121030turugijyuso8733.jpg

その谷を下るコースは、
地形図を見てもかなり険しいルートと見て取れる・・のだが、

そうしようか? そうしよう! ‥ということで、

  よし、決定!
  今日は予定を変更して、白髪小屋より北の四ツ小屋谷への
  エスケープルートを確立する。


   20121030turugijyuso8728.jpg

初めてのコースということもあって、
オッカー司令官はとってもウレシそう‥だったのだが、

このエスケープルートが・・タダモノじゃなかった。
あとでわれわれ2人は " 泣きをみる " ことになるのであるが‥

それはまだ、

 このときの幸せ2人組には知る由もないことであった。



20121030turugijyuso8843.jpg


20121030turugijyuso8869.jpg


  白髪小屋に着。

20121030turugijyuso8912.jpg

20121030turugijyuso8927.jpg



20121030turugijyuso8935.jpg


20121030turugijyuso8945.jpg


     20121030turugijyuso8946.jpg

  
 地形図で 最終ルート確認に余年のないオッカー司令官。


20121030turugijyuso8950.jpg

そしていよいよ、

 泣きのエスケープルートへ‥


   つづく。




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