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2012-08

深淵レポート 003 - 2012.08.30 Thu



 
||||||||||||||||||||  巻  ||||||||||||||||||||


               天 狗 陰 陽 暦


          2012 0830


             
七日巡り:月の日


     小話   || 深淵 レポート 003    ||

      ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ *** ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥


 人類のみなさま、深淵へようこそ

 ここは標高 1000m 、
 山深きふところにある渓流世界:深淵(みぶち)。

カジカガエルのミブローが、
ここを訪れた 5人の人間たちのその、不可思議な生態レポートをつづる。


20120825mibuchi5131.jpg  

森もすっかり闇に包まれたころ、
人間たちは " 火 " を囲んであまり動かなくなったのじゃが、

彼らは、大きな器を火にかけて
なにかを投げ入れてはかき混ぜ、かき混ぜては匂いをかいで・・
ときおりにその汁をすくって口に運んでは

 う〜ん・・と唸ってみたり、
 首をかしげたりしていたようじゃった。

20120826mibuchi5113.jpg

 しばらくして人間たちは、
 ウォ〜と一斉に雄叫びをあげたかと思うと、

 大きな器から小さな器に移したモノを、
 ハフハフと鼻息あらく わしわしと食べ始めたのじゃ。

20120826mibuchi5133-2.jpg

 わしは後学のためにと思い、
 この人間どもの食べていた大きな器の中身の食材を、
 こっそりのぞいてメモしておいた。

 シシ肉、手羽先、鳥モモ肉、ハクサイ、白ネギ、細ネギ、
 ちくわ、じゃこ天、こんにゃく、マイタケ、シイタケ、大根、
 豆腐、馬路村のポン酢 etc


 なんじゃこりゃ ???
 人間は・・なんでもかんでも食うものじゃと知る。

 わしは、まったく食欲がそそられんがのぉ。

20120825mibuchi5090_20120830102632.jpg

その火の傍らでは、
子どもたちが自分でとってきた魚をさばき、石の上に並べておった。

人間どもが火を囲んで夢中に食べている間に、
この石に並べた魚たちには、大きな山アリたちが群がってきて
こっちも大騒ぎじゃった。


20120825mibuchi5173.jpg

人間どもは食事を終えたあとは、
しばらくは声も聞こえず、しずかになって動かなくなったが、
カエルのわしにも、その気持はよくわかる。

20120825nibuchi5156.jpg

 静かなまま、
 そのまま寝てしまうのだろうと思ったのじゃが、

 こんどは人間たちは
 黄色く泡立つ液体と、透明で水のような液体を、
 なにやら楽しげに何度も飲み干しては、また大騒ぎをはじめて 
 とりとめのない話が 延々とつづいたのじゃった。

 しかし不思議なことに、さらに飲んでいくにつれ・・
 やがて口数が少なくなってきて、動きも緩慢になり・・
 ついに横たわるや 
 とうとう動かなくなってしまったのじゃが・・

はて? あの・・人間たちを、
たちまちに興奮させたかと思うと、活動を低下させる液体はなんぞや?
わしは後学のためにと思い スキをみてちょっと舐めてみた。

 黄色い泡立つ液体   → 葉っぱが腐った水たまりの味
 透明な水のような液体 → 花の香りのするちょっと甘くも辛い味
 

 ほぉ〜〜!
   わ、わしは・・透明な、
   み、み、水のような‥‥方が、好み・・なん.@]k@:

   こ、こいつは・・け、けっこう、イケル。

   おぉ〜 なんだか気分は最高じゃ!
   
      20120825mibuchi5179_3.jpg


 20120825mibuchi186.jpg


     20120825mibuchi5190.jpg



 そしてわしは・・気がついたら 迂闊にも
 もう朝じゃった。

20120826mibuchi5219.jpg


2頭の子どもたちは、
まだ薄暗いうちから起きだして、またあの長く細長い棒をもって
湖の方向へ歩いて出かけていったようじゃったが、

大人たちの巣は、まだ静かだった。


20120826mibuchi5215.jpg

陽が高くなってきたころ、
2頭の子どもたちは、とぼとぼと手ぶらで帰ってきよった。


20120826mibuchi5233.jpg

子どもが帰ってきたころには成体も起きて、
また火を周りを囲んで、大きな鍋集まりおおいに騒いでおった。

20120826mibuchi5229.jpg

まぁ〜とにかく、この人間たちは・・
食べることに異常とも言える時間と労力と神経を使うものらしい。

昨夜の鍋の残り汁に何かを足して復活したこの朝の鍋は、
稀に見る上出来のデキとなったらしく、
老いた成体が、ことのほか喜んでおったようじゃったな。

人間たちが " 味噌仕立てのおじや " と呼んでいたものは、
たしかにその香ばしくも芳醇なる匂いが辺りに満ち満ちておった。


     20120826mibuchi5249.jpg

食事を終えると、
彼らはまた冷たい流れの中へ出たり入ったりして騒いでいたが、

やがて陽が天頂を回ったころ、
次々に巣に帰ってきて・・
さっきまでの喧騒はどこへやら、なんだか口数少なくなり
静かに巣の片付けを始めたようじゃった。

まもなく、
あっという間に人間たちは跡形もなく消えて、
辺りはもとの静かな森の世界がもどってきたのじゃが・・

彼らがどこから来て、どこへ帰るのか?
彼らがどうしてここへやってくるのか?

わしにはなにも分からんが、
ただ、彼らが水と戯れ遊ぶ様子を見ていると、
姿かたちは異なれど、彼らとて、
わしらと同じ息吹を内にもつ生き物じゃったと知れり。

ふむ、ならば・・
また来ようことあらば、森も川もまた楽しかろうて。

 また会おう。

 しかしあの甘い香りのする " 酒 " というものは・・
 ほんまに いい水じゃった。





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