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2017-05

KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート vol.4 - 2012.11.13 Tue


     
2012  1113   TUES DAY
 
   小話  
|||||
KSB GP 剣山-三嶺 縦走レポート    |||||
 
             vol.4 完結編              

いよいよ剣山-三嶺縦走レポートは、三嶺の高峰をめざす。

昨夜は、寒風吹きすさぶ満天の星空を見て寝入ったものだから
2日目の天候には何も不安を感じていなかった・・のだが、

まだ日の出前の薄暗い時刻に、
もそもそと起きだして 小屋の戸を開けてみたら、

  外は・・ あれ? 

    ・・・ どないなっとんねん?

S20121107jyuso9653.jpg


空は どんよりと曇っていて・・
風が強いものの昨夜より気温はかなり高かった(‥と言っても10℃以下 )。

小屋のある稜線から北方を望んでみても、
そこに どぉ〜んと見えるはずの三嶺ピークは雲の中まったく目視できない。

う〜〜ん、ここまできてねぇ〜、

 せっかくの三嶺ピークアタックが・・
 真っ白のガスの中になってしまったら・・ちょっと残念だ。
 撮影の絵的に言ってもなぁ〜。

 ・・と、ちょっと天を睨むわたしであったが、

 こういうときは、
 そんなことして 天の誰かのゴキゲンを損ねるよりかは、
 素直に、これまでの恵まれた山行に感謝するのが
 運を呼ぶ " 奥義 " なのである。

 あ、あ‥ありがとう。

 

20121107jyuso9655.jpg

  
ただ‥空を流れる雲の足が速い。

よく見ていると、その流れる雲の高度は小屋のある稜線より
ほんの100mほど上空を流れているようで、ときおりに白いガスの
その向こうに青空が透けて見えていた。

太陽がのぼり‥気温が上がれば‥
この雲は‥もしかしたら 文字通り 霧散するかもしれんな。
    
 と、わずかな希望にすがりつつ、
  

20121107jyuso9651.jpg

小屋の中では朝食の準備が進む。

 山小屋の朝一番の仕事は、お湯を沸かすことから始まる。


     20121107jyuso9664.jpg


標高1600m 静かに冷えきった小屋のなか、
ガスバーナーに点火して、そのゴォ〜〜という燃焼音とともに
沸騰してきたお湯の蒸気が もぉ〜もぉ〜と沸き立ってきて、
それにつれて室温も上がってくる。

 このときは、まるで小屋そのものが目覚めてくるようで
 ワタクシ的にはとても好きな 山の朝の時間 なのである。

 ひと昔前の朝の台所って‥こんな感じだったんだろうな。


20121107jyuso9679.jpg


午前7時ごろ 白髪小屋を出発。
ここから標高差およそ250mの高みにあるの三嶺ピークをめざす。

ふたつ、みっつほどの小さなピークを越えて、
最後のファイナル・アプローチは、厳しい岩場の急登が待っている。

このときまだ、三嶺の勇姿は白い霧の向こうに隠れていた。


20121107jyuso9690.jpg

  歩き始めて15分、昨夜を寝床を借りた白髪小屋を振り返る。

小屋を出てうしろを振り返ると‥
きのうの‥12時間ちかくを歩き通してきた山々の稜線が見通せた。

思えば遠くまで来たものだ。

 しかし KSBクルーの士気も高い。
 オギノワン氏も きのう同樣に呼吸系に不安は残すが
 症状が悪化するようでもなくちょっと安心した

 ‥のだが、


20121107jyuso9692.jpg


このとき実は、KSB − GP 登山隊は、
もうひとつの、暗雲を呼びかねない " 問題 " を抱えていたのである。

それは‥きのうの長い山行の終盤にかかったころのこと、
我らを率いる登山隊 指揮官:オッカー司令官の身に起きた異変だった。

 指揮官が言うに  " 膝(ひざ)に違和感をおぼえる " ‥と。

これがプロ野球のピッチャーなら大事をとって交代を告げるところだが
言うまでもなく、ここ標高1600mに代わりのピッチャーはいない。

実際に、昨夜の時点で私はオッカー司令官から、
もしも状況が最悪の場合になったときのことを想定した第2次プランの
指示を承っている。

もし そうなった場合、
わたしの背負う責は、背中のザックよりも重いものを担うことになるが

やや緊張感が増すかたわら、
どこか胸の奥底では、静かに " 高揚感 " が満ち満ちてくる。

 ふふっ‥ オレの出番か!
 
 まかせとかんかい! ( ← 根拠のない自信である )。


20121107jyuso9770.jpg


そんな状況下で迎えた朝、気合いを一発 胸にくれて起き上がり、
オッカー司令官に指示を問うに

 良くもならず 悪くもならずだが・・
 これなら 十分に 作戦行動は続行可能である!


との返答にホッとした半面、わたしの勇んだ気合いは空気が抜けてゆく。

 まぁ〜 今回は‥

   これくらいで勘弁してやろう(汗と涙)。


20121107jyuso9783.jpg


いくつかの小さなピークを越えたところで、
とうとう三嶺にいたる山裾に至り、休憩をとって息を整える。

その眼前では、三嶺にかかっていた厚い雲が徐々に高度を上げて
稜線の曲線が少しづつあらわになってきた。


20121107jyuso9794.jpg


あぁ〜 もう少しで頂上が見えるのに!

 撮影クルーはこの好機にピーク撮影チャンスを逃すまいと
 高射砲よろしく慌ただしく三脚を据えて TVカメラを向けるのだが,

 見えそうで見えない‥あきらめようとすると、また見えそう、
 そんな天の誰かの趣味なのか、きわどいチラリズムに翻弄されつつ

 ついに最後の岩場の急登にとりつくKSB - GP 登山隊クルー。

 呼吸器系に問題を抱えたオギノワン・ディレクターも、
 あいかわらず倒れても倒れても立ち上がってきているし‥

 オッカー司令官も痛めた脚をうまくなだめながら

 みな 確実に高度を稼いでゆく。



20121107jyuso9817.jpg


これまでの長かった縦走路の‥最後の登攀、
いよいよ最終目的地である三嶺ピークまで、その標高差:約200m。

高度を上げるにつれ、

 あぁ〜 まわりを見渡せば‥ 眼下には、
 山々と谷が織りなす深遠なる景色が どんどんひろがってゆく。

 あぁ〜 右の谷の深い森には、
 たしか・・よく通った " さおりが原 " があるはず。

 撮影クルーも興奮気味にカメラを回している。


20121107jyuso9873.jpg

しかし、いつも思うことだが、

カメラマン:モリタン氏も、音声のムラカミン氏も、
登山ザックの他に、よくぞあれだけの装備をもってこれるものだ。

しかも彼らは、

 その重いカメラや音声機器を " 手持ち " で行動している。



20121107jyuso9889.jpg


そして、KSB取材クルーの指揮官ディレクター:オギノワン氏、

彼はいつも取材登山にあたり、かなり綿密にコースを調べたうえで
すでに " 絵と流れ " を描いているらしいうえに、
いつでもどこでも臨機応変に撮影を指揮している。

どんなに酸素欠乏に朦朧としていても、
カメラが回っている間、その目は状況をするどく見ていて、
その耳はミィーホ・レポーターの一言一句を聞き逃さない。


 ・・・・・・ *** ・・・・・・・


そんなKSB撮影クルーと同行した5回目の三嶺縦走。

彼らの仕事ぶりを見てきてますます感じるのは、
彼らのそれが、ただの取材にとどまらず、
クルー各自に、それぞれに " よりいいモノを " と目指す職人気質が
肌で感じられるほどなのだ。

だから、前にも書いたが‥
彼らのそれは、もはや単なる仕事を越えた " 生業( なりわい ) "  である
・・と言えるものなのである。

だから、一緒に仕事をしていて、

 とっても気持ちがよくて こちらも " 萌えて " くる。


 あっ、ながながと駄文を連ねている間に、
 いつのまにか、われわれは・・


20121107jyuso9897.jpg

 とうとう GOAL である。

 みんな‥ よく がんばった。( ← あの‥岳の声で )



    20121107jyuso9911.jpg

   なんだか、その立ち姿が、
   ずいぶんと様になってきて、かなりカッコいいぞ、
   ミィーホ・レポーター!


そして‥ すっかり登頂記念行事となった、あの‥

 ミィーホ・レポーターによる 祝!登頂、歓喜の舞
の演舞披露である。


20121107jyuso9938.jpg

大学時代に日本舞踊部に所属して磨いてきたその舞踊。

これまでの山行のON AIRでは、
視聴者の方々を、いろんな意味で唸らせてきた彼女の演舞である。

彼女は、そのときそのときの山行を、
ちゃんと舞踊に織り込んで構成しているのである。

しかも今回は‥
それまで、おもにディズニー系のキャラを装おったキャワイイ扇子を
使っていたのだが、今回の扇子は‥

 おぉ〜 なんだか ソレらしく 本物っぽいぞ!

 それ、どうした? ・・と聞けば、
 
 彼女が答えて曰く、

  えぇ‥これは‥ 実家から送ってきた荷のなかに
  入っていました( にっこり )。


 Uuu〜m、察するにお母さんのその心づかい、
 しかと心で受け止めて、しっかりと舞うんだぞ、ミィーホ。


20121107jyuso9949.jpg


 では、いくか・・

   カメラ スタンバイ、・・・スタート!


20121107jyuso9962.jpg

さて、その気になる彼女の舞いは、

 来たる12月1日 土曜日の
 最強ドリーム百貨店 ON AIR でどうぞ!

 さすが、キレのいい舞のなかに、
 彼女らしい  " 天然的構成? " が垣間見れて、必見です!


20121107jyuso9982.jpg


それから、しばし‥三嶺のピークにて、

 つかの間の時間を はしゃいで過ごし、


20121107jyuso9985.jpg


誰からともなく、とにかく跳んで喜んで、

 ならば 記念に全員で飛ぼう・・という時になって、
 いざ、3‥2‥1‥それっ!

  ・・とシャッターを切ると、

20121107jyuso9986.jpg

それまで、不安を抱える脚をかばって、
おとなしくしていたはずの、オッカー司令官が‥

  あのねぇ〜 その気概は買うが、
  ここで無理してどうするのよ、あんたは!

・・というわけで、

   撮り直し・・? である。

20121107jyuso9990.jpg


20121107jyuso9972.jpg

 最後に わたしも並んで 記念撮影。

 航海歴:2012年 11月07日 水曜日、11:32 am
 三嶺ピークを制す。
     

20121107jyuso0016.jpg

気がつくと、いつのまにか雲が晴れていて、

 なんと青い空が全天にひろがり、遠くには‥
 今回の縦走の起点となった剣山から、歩いてきた稜線のすべてが
 すっきりと見渡せた。

 どうも・・この、
 天の誰かさんの粋な計らいに 心より感謝せり。

 ほんまにこのタイミングで晴れ渡るとは
 天上には、よほどセンスのいい構成作家がいるらしい。


20121107jyuso0064.jpg

三嶺ピークをあとにして、

 直下にある三嶺避難着小屋に向かう。

20121107jyuso0087.jpg


 そこには、
 こんな場所にあるはずのない水を湛えた " 池 " がある。

 なんという美しい山なのだろう、ここは。
 どこを見ても 目を奪われる光景が広がっている。
 

20121107jyuso0101.jpg

 小屋のそばにひろがるクマ笹の原、

   お題は 「 大地と空と‥歩くミィーホ女史 」


20121107jyuso0113.jpg


小屋前でザックを下ろし、昼の宴を囲む。

 あぁ〜 パンもコーヒーも、なにもかもがウマイ!
 
 あとはもう下るばかりの道に気分は軽い。
 その気持の傍ら、あぁ〜もっとここに居られたらなぁ〜と想いもあり
 山を下り始める時の心は、喜哀に揺れる。


 では みんな‥ 家に帰りましょう。


20121107jyuso0122.jpg

 下山の道で見つけた あの " まゆみの樹 " の実。

 みなさんから寄せられた情報のおかげで、
 まゆみの樹に関する収録を 無事に成すことができました。


20121107jyuso0161.jpg


下りの道、ちょっと不思議な迷い方をしたが、

 午後 5時30分過ぎ‥全員無事に名頃の駐車場に帰還せり。


     20121107jyuso0167.jpg

 まさしく

  Long and Winding Raod

 この歌は 迷い疲れて終点のない道なりを歌ったもので、それは
 どこか惜別を漂わせる歌詞なのだが‥

 もちろん我々は‥
 長く険しい道程を伴にして、いっそう友となり
 家に帰ってきたのである。

  この記録も Long  and Winding になってしまったが‥。

 みんな また会おう。


 ーー 剣山 - 三嶺 縦走 KSB - GP 取材登山記 ーー

          
 






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● COMMENT ●

終わった

は~、面白かった。
また行って書いてね~。

ブミエさま

ようやく終わりました。

 次の取材登山はおそらく12月中、
 「雪山の決死の行軍」か「気軽な雪道トレッキング」のいずれかになりそうです。
 

希望は

「雪山の決死の行軍」です。


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