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2017-08

石臼がやってきた - 2013.12.22 Sun

  
    >> SHINRA DEEP STORY

      
2013  1222 SUN DAY
 

      小話  
|||||
石臼がやってきた |||||


 20131221usu7407.jpg


 むかしむかし・・と言っても、ほんの昨日のこと、
 その日は朝から氷雨の降る寒い一日でした。

 山の道具屋の軒下で
 オカ爺とオチ爺は身を寄せ合ってお茶を飲んでいました。

 するとそこへ、
 なにやら大きな荷を積んだ小さな軽トラが現れました。

 
その小さな小さな軽トラは、
 海を渡った はるか西方にある:ヒロシマ国から、長い長い時間をかけて
 やってきました。

  

 20131221usu7412.jpg


 その小さな軽トラからは
 大きなおじさんと小さなおばちゃんが降りてきてきました。
 おふたりは、あのツヤ子姫のお父上とお母上だったのです。
 
 大きなおじさんは、
 挨拶もそこそこに静かに軽トラの荷台にヨイショと飛び上がり
 さっそく荷の覆いを解いてみたら・・

 なんとそこには・・
 大きな大きな石の臼がドデンと座っておりました。
 

    20131221usu7426.jpg



 おか爺とおち爺は、その石臼のあまりの大きさに
 ただただ口をポカンと開けて見ているだけでした・・が、

 ふたりはハッと我に返り、なにか手伝わねばと駆け寄りましたが、
 悲しいことに、これといってできることは無かったのです。

  
ツヤ子姫の母上は側でニコニコと微笑んでおられました。

 お父上の仕掛けは驚くべきものでした。
 この大きな石の臼を、お父上たったひとりで運んで来られるようにと
 さまざまな工夫があったのです。
 
 

 20131221usu7454.jpg


 実際のところ、この大きな石臼を荷台から下ろすのに
 ほとんど手助けは必要ありませんでした。

 お父上は黙々と作業に取り付き、やがて石臼はそろりと動き始めました。
 ツヤ子姫の母上は側でニコニコと微笑んでおられました。

 なにもすることのないオチ爺は、その仕掛けに魅入っていました。
 ウィンチ、チェーンブロック、特殊専用アルミ荷台、昇降用傾斜板・・などなど

   こ、これは・・職人(プロ)の仕事ですばい!
 
   迎えに集まったわれわれの目は釘付けになりました。

 聞けば、この石臼を " 載せる時 " も、
 お父上ひとりで " 事足りた " とのことでした。

 
ツヤ子姫の母上は、
 側でニコニコと微笑んでおられました。


     20131221usu7421.jpg

 
 荷をほどいてから5分もたってないでしょう、
 あっという間におおきな石臼は大地に降り立ちました。

 そこからやっと迎えの者達が仕事にかかりましたが、
 コロがついている台車だというのに、なかなか前に進みません。
 エイヤッ、エイヤッと男たちの声がひびきます。

 
ツヤ子姫の母上は側でニコニコと微笑んでおられました。


  20131221usu7491.jpg


 そうして、この海を渡ってきた大きな大きな石臼は
 新しい家にドカッと座ることになりました。
 
 そう・・アレははるか一年前のこと、
 ここ山の道具屋の年の末に行われた餅つきの宴でのことでした。

 大男たちが餅をついていたら・・
 それほど大きくない石臼が " グカッ " と割れてしまったのです。

 餅つきは、その一年に感謝し、
 また、来たる一年に願いをかける大事な奉納祭りでした。
 
 以来、村人たちは怖れていました。
 わしらはもう餅がつけんようになってしもうた・・と。
 ワルいことが起きねばいいがのぉ〜。

 その村人たちの窮状を風のうわさに聞いて、
 ならばと、この日に駆けつけてくれたのがツヤ子姫のご両親だったのです。


 
   20131221usu7499.jpg


 石臼も新居に座り落ち着き、村人たちは、
 これでわしらの村は救われた・・と、みな肩を抱き合って喜びました。
 
 お父上と母上さまにご苦労をねぎらうべくお茶の席へと、
 お声をかけようとしたところ、

 なんということでしょう!
 おふたりは、はや ツヤ子姫の赤いクルマに乗りこもうとしているでは
 ありませんか。

 こちらで、ごゆっくりしてはいかがですか、
 と声をおかけしましたが、

 お父上は、振り向かず静かにただ手を上げられただけで、
 母上はやはりニコニコと微笑んで、赤いクルマへ歩みをすすめていました。

   あのぉ〜・・おとうさん! おかあさん!
   今日はありがとうございました。
   いつの日か、ヒロシマ国へ遊びに伺ってもいいでしょうか?

 そこで母上は振り返られてこう言いました。

   あぁ〜 いつでもいらっしゃい(ニッコリ)

 するとツヤ子姫が慌ててこう言い添えました。

   お母さん! あの人たち・・ほんまに来るよ。

 母上、慌てず答えて曰く。

   あぁ〜・・ははっ、エエやないの!
   いつでも来てね
(ニッコリ)

 そうしてツヤ子姫親子は赤いクルマに乗って旅に出発しました。

 そのツヤ子姫の顔にはなにかしら・・
 幸せとも不安とも定かではない笑みが浮かんでいたと感じたのは
 わたしの気のせいだったのでしょうか?

 ともあれ、風のようにやってきて
 風のように去っていったご両親の石臼にまつわるこの日のデキゴトは、
 まるで昔話の様でございました。

 あらため、ここに皆の意を代表して、
 感謝のことばを捧げたい。

   お父上、母上さま ありがとうございました。
   遠からず必ずや遊びにいきます!
   待っててね。





   






 
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